わが国の実態は、過密居住といい遠距離通勤といい環境破壊といい債務奴隷といい、住生活における人権の無視以外の何ものでもない。しかし、多くの国民は、そのことをあまり意識していないのではないか。シードはいう。「一番いけない事は斯様な生活をしている家族が大して其の生活を気にやんで居ない事です。社会悪が最大に達するのは実に其の犠牲者がこれに安んずるに至った時であります。例えば奴隷が最も悲惨なるは奴隷たるに甘んじたる時であります。
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」空間がせばめられればせばめられるほど、そこで生活する個体は占有空間を仕切って防衛的になる。そして、その空間内にじっとして、他の個体に対して無関心になる。いわゆる「マイホーム主義」というのも、結局のところ、「やっと手に入れたわずかの空間にちん入者をよせつけまいとする空間防衛機能の無意識的な発現なのではないか。」貧しい住居は人格・品性に多大の影響を与えると同時に、住意識自体をも貧困化させ、人間らしい住宅への要求を萎えさせる。さらに、住生活の確保を個人の責任とする現在の持家主義中心の住宅政策のもとで、人々は個々ばらばらの、はかない穴掘りに向かわせられ、やがては逃れられぬ住宅難を己れの甲斐性のなさに帰する諦観の世界へと追いこまれている。