本当に無趣味な人というのは、意外に少ないものです。音楽とか読書など、趣味と思っていなくても、よく話をしてみると「そういえばそうですね」という心当たりが必ずあります。立派な本棚をつくると、今まで段ボール箱に眠っていたままの本を整理し、きれいに並べて、ただ飾るだけでなく読み始めるものです。書斎といわずDEN(書斎兼ゲストルーム)のような読書空間は絶対にあったほうがよいと思います。しかし、突然「ご趣味は?」などと尋ねてもなかなか明快に答えられるものではありません。
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ある依頼者がそうでした。この方は医者ですが、ゴルフもしなければ、映画も観に行かない。仕事が趣味を兼ねているような人でした。そこで、提案したのがオーディオーシアタールームでした。スイッチひとつで、昼間ならリビングのシャッターが自動で降りてきて外光を遮断し、部屋の照明がフェードアウトして暗くなり、天井から二百インチのスクリーンが静かに降りてくる。そして天井に設置した映写機から、映像が映し出されるのです。居ながらにしてリビングが“映画館”に変わるというわけです。これは大成功で完璧にはまりました。すると、もともと日曜日だけの休診日が木曜日も休診日となったのです。理由は、オーディオーシアタールームで観た『リバー・ランズースルー・イット』という釣りの場面が印象的な映画に感動して、釣りを始めたからだというのです。