今回の地価高騰の一つの特徴は、久々に全国の別荘地にもそれが波及した点である。例えば、軽井沢などの中心部の値上がりは、東京の住宅地の地価高騰と時期、上昇率においてほぼ等しいものであった。あるいは箱根などの古くからある高級別荘地、スキー用別荘地として上越新幹線の開通により急速に開けてきた新潟県の湯沢町、また熱海、湯河原、伊東といった保養地なども大きく値上がりしている。そのうち軽井沢と湯沢町は、昭和62年の秋に監視区域制度が施行された際、ただちにそれが適用されているくらいである。昨年から、住宅金融公庫がセカンドハウスに対して融資を行いだしたことも、リゾート地の地価を押し上げる要因になっている。保養地的別荘地に人気があり、首都圏では、軽井沢の人気が高いのは別格として、その他で高いのは実は熱海、湯河原、真鶴、それに伊東、伊豆高原といった一帯で、この地域は冬も比較的温暖であるため、定年後の半永住を兼ねた別荘地として人気が高い。夏しか使えない那須や蓼科、山中湖といった避暑地は意外に地価が安い。別荘というと避暑地が一般には頭に浮かぶが、今後高齢化時代に移行していくにつれ、実際には年間を通じて利用できる保養地的別荘のほうが実用価値が高いといえる。同時に、もともと平地が少ない熱海、伊豆方面は地価が高水準で推移するとみられる。その他の避暑地についても、今後のリゾートブームで、全体的に値上がりはしていくであろう。しかし特に立地条件がよいところを除くと各地域とも開発可能な場所は多く、また各避暑地が競合してくるため、全体的にはそれほど大きくは値上がりしないであろう。今後わが国が高齢化社会になるに伴い、本当に望まれるリゾート地は、実は避暑地なのではなく、少しでも冬が暖かい保養地のほうであろう。
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