兵庫県南部地震のときに被災した建物の解体費用と処理には、産業廃棄物処理法により公的助成がおこなわれた。国が二分の一を補助し、残りの六割程度に自治体の地方交付税交付金が当てられたが、当初は申請期限を一年に限っていた。後にこの期限はさらに一年延長されているが、建物調査や住民の話し合いが十分にされないうちに解体方針を決めるというマンションが少なからずあった。マンションの一戸あたりの解体費用は少ない場合で二〇〇万円前後、多くなると三〇〇万円を越えている。
[参考サイト]
> 国際展示場のマンション
> 与野本町の賃貸
> 西新井の新築マンション
> 滝川市の中古住宅
> 岡山県の新築分譲マンション
規模の大きなものでは、マンション全体で数億円にもなった。ちなみに、裁判となった四件の事例のうち、芦屋市のマンションでは正式な建替え決議前に公費解体を決め、管理組合は建設会社と解体工事の契約を結んでいる。建替え決議をする前に解体決議だけを先行させる場合は区分所有者全員一致の同意が必要である。この点は、管理組合の進め方に異議を唱えた原告たちが、管理組合に対して「家屋明渡強制執行」無効を主張したことのひとつの根拠であった。建替えを余儀ないものとされたマンションにとって公費解体はたいへんありかたい制度ではあったが、その一方で建替え誘導のために利用された一面があったことを知っておかなければならない。